詩歌
日常の出来事の中からの発見と心の奥の隠れた真実を、鋭い感性とすがすがしい言葉で、ときには怒りと毒をこめた詩に結実させた、茨木のり子の新詩集。
「もはや/いかなる権威にも倚りかかりたくはない/ながく生きて/心底学んだのはそれぐらい/じぶんの耳目/じぶんの二本足のみで立っていて/なに不都合のことやある/倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ」。
強い意志とナイーヴな感受性によって紡ぎだされた詩集『倚りかからず』に「球を蹴る人」「草」「行方不明の時間」の詩3篇と高瀬省三氏のカット16点を添えて贈る瀟洒な一冊。
すがすがしく生きたいと思う心そのままを、確かな視線と優しい言葉でとらえた、あざやかな茨木のり子の詩の世界。
1969年から1976年にかけての作品20篇を収めた話題の詩集。
「倚りかからず」「自分の感受性くらい」などの詩で知られる詩人、茨木のり子。
やさしく親しみやすい言葉で、凛とした意志を表明した、その美しい詩の世界を味わってみましょう。
【収録作品】
こどもたち/六月/わたしが一番きれいだったとき/小さな娘が思ったこと/はじめての町/汲む―Y・Yに―/惑星/言いたくない言葉
自分の感受性くらい/鍵/落ちこぼれ/娘たち/瞳/問い/木は旅が好き/倚りかからず/水の星/泉/M・Tに/母国語/こわがらない/詩
詩人茨木のり子さんの名だたる詩が網羅されています。「自分の
感受性くらい」に始まり「わたしが一番きれいだったとき」「見えない配達夫」
「落ちこぼれ」「聴く力」と名詩がつぎつぎに登場。フィナーレは「汲む」。夕鶴を演じた山本安英さんに捧げた詩です。初心の初々しさを忘れて傲慢になる大人たちへ警鐘をならす茨木さんの渾身の代表作。
茨木のり子詩集 わたしが一番きれいだったとき (豊かなことば 現代日本の詩 7) (豊かなことば現代日本の詩)
「わたしが一番きれいだったとき」などが国語の教科書で紹介され、たくさんのファンをもつ茨木のり子の選詩集。
優しさだけに止まらず鋭く切り込む姿勢をみせる茨城のり子の詩は、時代を越えて若い女性たちの心をふるわせる。「倚りかからず」など、収録。
「おんなのことば」の対になる茨木のり子二冊目の詞華集です。15万刷のベストセラー「倚りかからず」(筑摩書房)から「倚りかからず」「鄙ぶりの唄」「笑う能力」「系図」「水の星」を採り、最愛の夫への鎮魂歌「歳月」(花神社)からは「ひとり暮し」「なれる」の二編を収録しました。
そして圧巻は長詩「りゅうりぇんれんの物語」です。日本軍が強制連行した中国の若い農民の苦難の物語で、生前茨木さんは小冊子にしてでも多くの人に読んでほしいと願っていました。この二冊で、詩人茨木のり子さんの主な詩業が俯瞰できます。
現代女性詩人のトップランナー、茨木のり子が人間を見つめ続ける詩を網羅。
「わたしが一番きれいだったとき」「落ちこぼれ」ほか全33編。子どもから大人まで、すべての人に贈る現代詩集シリーズ。
いい詩には、人の心を解き放ってくれる力があります。また、生きとし生けるものへのいとおしみの感情をやさしく誘いだしてもくれます。
この本では、長いあいだ詩を書き、多くの詩を読んできた著者が、心を豊かにしつづけている詩の中から、忘れがたい数々を選びだし、その魅力を情熱をこめて語ります。
青春を戦争の渦中に過ごした若い女性の、くやしさと、それゆえの、未来への夢。スパッと歯切れのいい言葉が断言的に出てくる、主張のある詩、論理の詩。ときには初々しく震え、またときには凛として顔を上げる。素直な表現で、人を励まし奮い立たせてくれる、「現代詩の長女」茨木のり子のエッセンス。(対談=大岡信、解説=小池昌代)
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